1/1 BEMOの世界で遊ぶ・・・・混合列車編
ミニ・クロコダイルの牽く列車に続いて紹介するのは、知られざるRhätishe Bahn(レーティッシュバーン)の名物列車、早朝の混合列車です。
Rhätishe Bahnというと、氷河特急の走る観光路線という印象が強いですが、地元の大切な足という側面もあります。それを代表する列車が、平日の早朝にChur(クール)からSamedan(サメダン)に向けて運転される4109列車です。この列車がユニークなのは、客車がわずか1両(2両の時もある)に数両の貨車を連結した混合列車であることで、いかにもローカル線という雰囲気を味わせてくれます。しかし、その運行はChur5時10分、Samedan7時という早朝で、しかも土休日は運転されません。そう、地元の学生のための通学列車なのですね。
この列車が宿泊しているFilisurの通過時間は、早朝の6時12分です。しかし、この列車が撮影できるのは、陽の長いこの時期限定です。撮影しないわけにはいきません。そこで、文字通りの朝飯前の一仕事として、朝練を決行しました。
Filisur手前の沿線最大の名所、Landwasser Viadukt(ランドワッサー橋)から撮影を開始します。これはLandwasser Viaduktの手前にあるSchmittnertobel Viaductを渡る列車。ここから26mと短いZalaintトンネルを抜けるとLandwasser Viaduktです。
深い峡谷にかかる石橋の高さは65m。そして橋を渡ると岩山をくりぬいたLandwasserトンネルに吸い込まれるように入っていきます。
素晴らしい景観のこの橋の写真は次回にまとめて紹介するとして、次は山間の静かな美しい街、Wiesenに到着するシーン。この日の客車は2両でした。
山の頂上に光が当たり始めた頃、Wiesenに到着します。ここでこの列車の通学生を乗せて、Alubula峠への登り坂にかかります。
なんどもAlubula川をわたり、深い山の中を進んできます。
延長677mのTouaトンネルに飛び込み、それを抜けてAlbulaーViaduktⅢを渡る辺りがAlubula越のハイライト。BergünからPredaまで、わずか12.6kmの間に標高差410mを登っていきます。2重ループ線もあって、線路がどの方向に走っているのか、わからなくなってきます。スイス国鉄のゴッダルド線を凌駕する興味深い路線です。この区間についても、後日、詳しく紹介します。
そして、AlbulaーViadukⅣをわたり、Zuondraトンネルを抜けるとようやく峠の手前のPredaに至ります。標高は1788mに達しており、Churからは実に1200mの標高差を登ってきたことになります。
毎日、こんな列車で通学したら、さぞ楽しいだろうな、と、思いますが、ちょっと朝が早すぎるかな。今の時期を除くと、真っ暗なうちに峠を越えることになってしまうのでしょうね。(駅長)
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コメント
観光路線ではありながら一方では地域輸送もしっかりと行っているところがスイスらしいと思いました。利用者も事業者も公共交通の維持・運営に関して意識が高いのと国が鉄道インフラの必要性を認識し、事業者に丸投げせずに積極的に関与していることが大きいのではないでしょうか。こういう点はどこかの国も見習ってほしいものです。(電車運転士)
投稿: 電車運転士 | 2018年7月 9日 (月) 16時20分