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2016年4月18日 (月)

ニイタカヤマノボル・・・1

 ニイタカヤマの途中まで行ったことから、「ノボレ」ではなく「ノボル」である。「ニイタカヤマノボレ」とは、第二次大戦における日米開戦の開始を告げる海軍の暗号電文で、ニイタカヤマとは当時、日本が統治していた台湾の最高峰、玉山のことである。玉山の標高は3952mで富士山より高い当時の日本の最高峰であった。

 この玉山を望む景勝地が阿里山である。我々にとっては、阿里山森林鉄道の走る所としての印象の方が強いかもしれない。標高30mの嘉義から標高2274mの沼平(旧阿里山駅で現在の阿里山の先にある)まで、72.7kmで2250mの標高差を登る世界有数の登山鉄道であり、歯車で車輪を駆動するシェイ式蒸気機関車が活躍していたことで知られる。

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 この阿里山の登山鉄道は、40年以上前の鉄道雑誌で見て以来、一度乗ってみたい路線であった。特に独立山にある3重スパイラル線は、どんな光景なのか興味を誘った。しかし、優先度は低く、台湾を訪れる機会はなかなか訪れなかった。そうしているうちに、2011年に台風の被害や安全確保のため全線運休になってしまった。その後、標高1400mの奮起湖までの区間運転が始められ、ようやく路線の改修ができて2015年12月に全線復旧と予告されたものの、再度、9月の台風で線路が崩壊し、全線復旧は再度、延期となってしまった。この状態では何時、乗ることができるかわからないので、不本意ではあるが、区間運転の阿里山鉄道に乗ることにしたのである。

 そんな状態であるが、阿里山鉄道は台湾有数の観光地である。特に最近は大陸方面からの観光客が多く、切符が取りづらいと聞いていた。有名な観光地でありながら、列車は奮起湖までわずか1往復。休日でも2往復である。しかも乗車券の発売は前日から、現地のみということで、相当、ハードルが高かった。最初は、嘉義に前日に訪れて切符を買うことを考えたが、直前になってネットで発売が開始され、この問題はクリアした。

 ようやく乗れることになった阿里山の森林鉄道。始発駅の嘉義を訪れると、台鉄のホームに隣接して、たった1本のホームがあるだけである。やがて警報器が鳴り、DLに牽引されて列車がやってきた。

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 車庫はひとつ先に行った北門にあり、そこからの回送である。

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 ここで機回しをするのではなく、DLを後ろに推進で登っていく。本来の意味でのプッシュプルである。(参考までに、日本でこの言葉からイメージする両端機関車の運転は、トップ&テイルという)このため、客車には運転台がついている。車内は2+1の座席配置で、イメージ的には大井川鐵道の井川線に近い。

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 1日一往復だが、地元の足にもなっているようで、駅毎に乗降がある。ホームは無く、ステップで降りる。

 さて、期待の独立山スパイラル。

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 この地図には書かれていないが、2の位置あたりに樟脳寮駅、10のあたりに独立山の駅がある。遊歩道もあるので、本数が多ければ歩いて撮影したいところだが・・・

 ところが折角の線路がよく見えないのである。おそらく、開業時にはしっかり眺望がきいたのだろうが、現在は木が茂ってしまって、下の線路が見えるところはほとんどない。

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 ようやく8のトンネルを抜けたところで、2のあたりが見えた。樟脳寮駅があるあたりだが、駅は判別できない。

 急カーブを曲がりながら、段々、高度を高めていく。残念ながら、天候がもうひとつなので、眺望のほうももうひとつである

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 どうやって登っていくのかわからないが、山の上の方にも建物がある。また、あたりには名物のお茶を栽培する農場もある。行ったことはないが、インドのダージリンあたりの風景とよく似ている、という。

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 3時間ほどの乗車で、現在の終点の奮起湖につく。標高は1400mである。ここにはかつて機関区があり、その建物の中に18トンと大型の28トンのシェイが止まっている。

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 人が写っていないが、実は観光客が入れ替わり立ち替わり歩いてきており、人が写らないよう、このカットを撮影するまで、相当、時間がかかっている。

 ちょっと高いところから見た奮起湖駅。

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 この後、接続するバスで阿里山に向かうのであるが、なんとそのバスは中型バスで乗客を収容しきれず、置いてけぼりになってしまった。おそらく、そうした状態は日常的におこっているのだろう。すると、どこからともなく乗り合いのバンが現れて、バス代金の倍くらいで阿里山まで運んでくれた。乗客が多くて予定していたバスに乗れないという公共交通の対応の悪さは翌日も続く。長くなったので、阿里山の区間運転列車は次回に。(駅長) 

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コメント

阿里山も見どころ満載なのでしょうが、大雨や地震といった災害が続いてなかなか全線開通にこぎつけられないのが実情みたいですね。それだけ厳しい条件の中に線路が敷設されているといったことでしょうか。3重スパイラルはなかなかお目にかかれない施設ですので、貴重な体験だったことと思います。続編をお待ちしております。(電車運転士)

投稿: 電車運転士 | 2016年4月18日 (月) 17時40分

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