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2016年4月21日 (木)

ニイタカヤマノボル・・・3 

 さて、この時期に台湾に行ったのは、南回り線の撮影ではなく、ましてや阿里山鉄道の乗車ではなく、ひとえにこれの走っている姿を見たかったからである。

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 そう、阿里山鉄道のシンボル、シェイ式蒸気機関車である。

 シェイ式蒸気機関車とは、長手方向の伝達軸でクランクシャフトから前後の台車の車輪を駆動する仕組みで、それぞれの車軸には傘歯車で回転が伝えられる。

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 こうした構造のため、全軸で駆動できて牽引力が増すほか、急なカーブにも対応できるという。このため、世界の森林鉄道で活躍していた。静態保存されているシェイは、米国のポートランドで見たことがあるが、動いているのは未見である。また、昔に鉄道雑誌で写真を見て以来、阿里山でこの車両の動いている姿を見ることはひとつの夢であった。

 阿里山のシェイは昭和40年代中頃には現役から引退したようであるが、名物の機関車だけに何両も保存され、動態での運転も行われているようであった。しかし、何時動くかはわからないことから、なかなかその機会は訪れなかった。ところが、昨年、3月に開催される阿里山の桜祭りのイベントとして、水曜日に運転されることが発表され、早速友人が訪れて成果を見せてくれた。

 こうしたイベントなら、ほぼ確実に運転日が特定できる。さすがに昨年は行くことができなかったが、今年も運転されるだろうと予想して、3月中旬の火曜日に阿里山のホテルを予約し、現地を訪れたわけである。

 しかし、昨年訪れた友人の情報では、撮影地が限られる上、カメラを構えた人が多く、撮影場所が極めて制限されるとのことであった。事実、桜のポイントは、DL牽引の列車でもかなりカメラを構えていた。これがシェイの運転となるとどうなるのか・・・。

 これまでの経験から、海外で良い場所を確保するには1時間以上前なら、なんとかなった。何ともならないのは、某国のイベント列車くらいである。蒸機の運転は、10時半から30分おきに3往復で、阿里山から沼平までの約1kmちょっとである。蒸機以外の観光列車は9時が始発なので、朝食を食べて始発に乗って、場所を確保しようかと考えていた。しかし、日の出を見に行った帰りの祝山からの列車で見たら、桜のポイントはもう立錐の余地も無いほどの撮影者の数である。

 え、まだ、4時間もあるよ(>_<)。

 日本の蒸機列車のお立ち台ポイントでもさすがに4時間前はすいて・・・いないか。まあ、最近は前の日に置き三脚もあるしねぇ。多分、こんな状況なら、暗い内から頑張っている人もたくさんいるんだろうな。まあ、萌えキャラと言い、こんなところ見習わなくても良いのに・・・。まあ、どこかみたいに「撮り鉄、来てくれるな」とは言わないだろうけれど・・・。

 もう、こうなったら、頑張ってもしょうがないし、成りゆきに任せるしかない。おまけに天気も悪くなってきて、雨まで降ってきた。諦めの境地で、ゆっくり朝食を食べて、10時の列車で沼平に向かった。

 さすがに桜のポイントは、どう考えても入れそうもないし、また、桜の枝がシェイにかかって邪魔なので、列車写真としてはもうひとつである。そこで、昨日、DL列車を撮った踏切のあたりで狙うことにする。やがてDLが牽引し、シェイが後ろから押したトップ&テイルの編成で列車がやってきた。ちょっと桜の入るまずまずの場所を確保していたが・・・・

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 あれ、そんなところに三脚を持って入っちゃ駄目だよ。もうすぐ、シェイが来るよ。一番良い場所に、邪魔だよ・・・って言いたいところだけれど、言葉は通じないし、直前ではなんともならない。他にも構えていた人が沢山居たけれど、邪魔にならないのかなぁ。どうも、鉄道はブームのようだけれど、撮影マナーはついていっていないようだ。まあ、これはどこかの国もイベントの時には似たようなものかもしれないけれどねぇ。

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 次の列車は、踏切のところで編成写真を狙ってみた。実はこのアングルで一本目の列車を撮りたかったのだけれど、変な場所でカメラを構えていたので、諦めたのである。そこで、1本目の列車が通過したら、すぐに場所を確保したのだけれど、撮影者が予想できない動き方をするので、なんとも落ち着かない。おまけに雨こそやんだものの、天候は最悪で、露出も確保できない。デジカメだから何とか撮れるが、フィルムカメラなら、黙ってみているしか無い明るさである。もっとも、この場所、天気が良いと完全逆光になってしまうらしい。いずれにしろ、撮影には制約が多い場所である。

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 最後の3本目は同じようなアングルで勿体ないけれど、桜の場所で良さそうな場所が空いていたので、もう1度、1本目と同じような場所で狙ってみた。天気はもうひとつだけれど、まあ、なんとか狙いとしたアングルでは撮れたかな。

 まだ、時間もあるので、帰りは前日と同じく神木に降りてみる。天候は相変わらず悪く、さらに暗いので、ヘッドライトが異常に明るく輝いている。

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 幻想的と言えばそれまでだけれど、もう少し明るいと良かったなぁ。

 さて、阿里山での撮影はこれにてお終いだが、最後に大問題が発生した。なんと、当日に嘉義まで行くバスが、終バスまですべての座席が売り切れという。某ガイドを見てもバスは予約制とは書いてないし、それらしき表示も無い。ホテルで、昨日、奮起湖から乗ってきたような乗り合いタクシーがないか、確認して貰ったが、どうも阿里山からはなさそうである。

 その後、いろいろ確認していると、バスには途中から乗ってくる乗客のための予備席があり、運転手の了解を得られれば、その席に座ることができるらしい。運良く、新幹線の嘉義行きのバスに話をして乗せて貰えることになり、なんとか窮地を脱することが出来たものの、昨日の奮起湖といい、公共交通側の対応はいろいろな点で問題がありそうだ。

 この記事を見て、阿里山に行かれるならば、そのあたりを十分注意されることを助言させていただきたい。(駅長)

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コメント

シェイは運転している姿を写真で見たのは久しぶりな感じです。てっきり、静態保存で動くことはないと思っていましたが、区間は短いとはいえ、結構な頻度で動いているとは知りませんでした。日本だけではなく、観光目的の俄か鉄には苦労しますね。特殊な駆動機構なゆえ、走行音も独特なんでしょうか?(電車運転士)

投稿: 電車運転士 | 2016年4月22日 (金) 22時59分

 うーん、それを聞くのが一番の目的だったんですが、記憶がないです。(^^;)というか、ブラストの音はわからないし、歯車駆動の音も明確にシェイというのがわかるわけではなく、通常の機械音。まあ、撮るのに一生懸命で、音を聞いている余裕がなかった、というのが正解かもしれませんが。(駅長)

投稿: 駅長 | 2016年4月23日 (土) 00時56分

なんともメカニカルな駆動部とレーザービームのヘッドライト。「阿里山のシェイ」というコトバは耳にしたことがありますが、車体を見たのは初めてです。注目度が高いだけに、同業者がひしめき合うのも納得できますが、マナーの良し悪しは・・・。
駅長様の記事を読んで、台湾の鉄道に注目が集まるのもわかってきたような気がします。しかし出かけたくとも時間とカネの問題、あ、同伴者の件も忘れてはいけません。(出札掛)

投稿: 出札掛 | 2016年4月23日 (土) 10時39分

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